今夜も長湯気分

誰に聞かせるわけでもない日々のこと

世界の中心で、愛をさけぶ

日曜日の夜、The CoversのKinKi Kids回を見た後で、何気なくチャンネルをザッピングしていたら、画面に鮮やかな夏の景色が飛び込んできた。BS-TBSで2004年のドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」が再放送していたのだ。

 

世界の中心で、愛をさけぶ」、略して「セカチュー」。原作は2001年刊行の大ベストセラーである。所謂、泣ける系、ヒロインが死んじゃう系として、今や食傷気味となっているテーマの作品であるが、私はこの小説も好きだったし、何と言ってもこのドラマ版が好きだった。好きだった。

 

ヒロイン、綾瀬はるかという圧倒的ミューズの魅力。どこか懐かしい80年代の夏の情景。前半部のキラキラした青春の風景は私の憧れていた世界そのものであった。

 

そして、そんなキラキラした前半があるからこその、重く悲しい後半。17歳の山田孝之が大切なものを失い17年経って緒形直人になるとは。なんという見事なキャスティングだ。当時の私は唸ったものである。

 

私には17歳の時にこんな輝くような恋や青春の思い出はなかったし、故に現在でもこれほどの大きな喪失を経験したこともない。

 

それでもこの物語は今でも私の胸を締め付ける。

 

18年ぶりにこのドラマを見て、18年前の、まだ何者でもなかった20代前半だった自分を思い出した。このドラマのサントラを聞きながら古い中古車で田んぼの真ん中の道を、明日をも知らず走っていた自分の姿を。

 

ドラマは第4話だった。できれば第1話から見たかったが仕方がない。また来週も見ようと思う。

 

それにしても大人になった朔太郎よりも今の自分が年上になろうとは。年月の流れは早いものです。